生涯活躍のまち(日本版CCRC)⑥移住促進の一環として

今回は、生涯活躍のまち(日本版CCRC)と移住促進との関係について。

日本版CCRCというくらいだから、米国のCCRCをベースに考えられていることは言うまでもないですね。これまでも論じてきましたし。。。

では、なぜ日本で唐突に「CCRC」が注目されるようになったのでしょうか?

高齢化が進んでいるからでしょうか・・・?

そんなの、だいぶ前から言われてきたことだし、もはや当たり前ですよね。

もう少し遡って考えましょう。

地方創生が叫ばれるようになった要因は何でしょうか?

「東京一極集中の是正」ですよね。

政府は声高に謳っていますが、未だに達成できない、むしろ東京への流入は増える一方。

こうなると、ただでさえ介護施設、介護人材が足りない首都圏は困ってしまうワケです。

元々、人口減に苦しんでいる地方自治体としては、移住促進に取り組みことで地方創生推進交付金が出るという話なら、それは乗らない手はないですよね。

だから、急に「移住促進」が叫ばれるようになったというワケ。

この日本版CCRC、当時は「移住促進」との親和性が高い事業として、政府はかなり力を入れていましたね。「人生の楽園」というテレビ番組は、シニアの地方移住をテーマとしていて、視聴率はかなり高いですから。まさに、リアル人生の楽園を広めていこう、といった発想かと。。。

で、北九州市として最終的に落ち着いた方向性は、世代ごとに対策を打っていこうというもの。ファッションでもグルメでも、世代によって見せ方や売り方を変えていますよね。あれを参考にしようと。

この考え方を表した図がコチラ。

北九州市版生涯活躍のまち

年代別にPRする魅力を変えることで、全く違った視点で見てもらうことも可能です。

まあ、シニアにとって住みやすい要素が多いのは間違いないですが。。。

そして、もうひとつのポイントは、移住までのプロセスを明確に意識すること。

一般的に考えて、「移住」はかなりハードルが高いもの。

「観光」であれば、気が向いたときに出向くことは可能ですが、「移住」となると生活の本拠が変わるわけですから、その影響たるや甚大です。

だから、すぐに移住してくださいっていうのは無責任ですよね。

平たく言うと、まず「知ってもらう」ことが始めて、興味を持った方々に「来てもらう」そして好きになってもらって「住んでもらう」という流れを絶対に意識する必要があります。

このように考えると、「街の魅力を伝える」ということがスタート地点であり、最も重要なことなんです。

北九州市でも「お試し居住」や「ライフセミナー」などを行っていますが、こうした事業の対象者の数には限りがあります。

だから、理想を言えば、直接的な支援を受けることなく移住してくる人をいかに増やすか!

このための施策が、実はとっても重要なんです。

北九州市が具体的な取組みを始めて3年強。

いまでは、以下のようにたくさんの事業が密接な関係のもとで成り立っています。

生涯活躍のまち全体像

この図で見ると、ごちゃごちゃしている印象もありますが、それでいいんです。

だって、人によって求めているニーズは千差万別なんですから。

移住しようかなと考えている方は、自分のニーズをよく理解されているほうが多いという実感です(もちろん全員ではないですが)。

たまに「北九州方式」などと言われることがありますが、特別なことはしていないつもりです。「ニーズに愚直に応える、地域の資源を生かす、行政だけで取り組もうとしない」といったことに尽きるかと思います。

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