生涯活躍のまち(日本版CCRC)③当時の北九州市を取り巻く現状と課題(2015年)

またまた間隔が空いてしまいました。

東京と北九州市を行ったり来たりしながらなので、なかなか時間がとれず。。。

あと、寄る年波には勝てないのかも・・・

ま、頑張っていきましょう。

ってことで、今回は「生涯活躍のまちシリーズ」のパート3。

「2015年当時の北九州市を取り巻く現状と課題」について。

2015年度というと、文字通り「地方創生元年」。

各自治体で「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が策定され、地方創生加速化交付金が交付された年度ですね。

この交付金、とにかくスピード重視ということで、補助率が10/10!

いまどき、対象経費が全て交付されるなんて、なかなかないです。

いかに当時、国がこの施策をスピーディーに進めようとしていたかが分かりますね。

ちなみに、現在の地方創生推進交付金は、補助率1/2です。

自治体としては、当然ながら少しでも早く政策決定して、早く交付対象となる事業をスタートさせようということになります。

加えて、この総合戦略の策定に当たっては、人口ビジョンの策定が義務づけられることに。

実は、これが最大のポイントでしたね(地味ですが)。

自治体の立場からすると、人口動態の実情を世に知らしめることは出来れば避けたいところ。特に、人口減に苦しんでいる自治体はそうですよね。

しかも、現状を公開すると、必然的に「どう改善していくのか」、目標数値などを設定して「結果にコミットしていく」必要性に迫られます。

要するに、厳しさが求められるワケですね。

この辺りの状況は、過去記事もご参照ください。

で、当時の北九州市の状況は・・・というと

人口対策を真っ正面から所管するような部署が見当たらず・・・

なので、当然ながら移住促進のポータルサイトなど存在するワケもなく・・・

うーーーーーん

こんな状況では「移住しようかなぁ」と考えている皆さんに「北九州市に住んでほしい」という想いは伝わりませんよね。

ということで、まさに担当部署ナシ、具体的な政策ナシ、WEBナシという無い無い尽くしの状況からのスタート。

ここまで来ると、もう前に進むしかないですからね、文字通り開き直りです(笑)

で、考えに考えて、当時たどり着いた策が日本版CCRCの検討・推進だったワケです。

この日本版CCRC、国の総合戦略における扱いが他の施策とは明らかに違っていました。

地方創生の引き金にもなった著書「地方消滅」を上梓したのが、増田寛也さん。

同氏が第二弾として提言したのが、この日本版CCRCでした。

これは、消滅可能都市が議論されたときと同様、日本創成会議にて「東京圏高齢化危機回避戦略」として発表され、大きな物議を醸すことに。。。

いわゆる「姥捨て山批判」がありましたが、冷静に読んでいくと「今後の首都圏における高齢者の増加」に対する処方箋を示したもので、そこまで批判される内容でもなかったように思いますが、影響力の大きな方の発言ですからね。

北九州市は、政令指定都市の中で最も高齢化率が高い都市。

これは翻って考えると、最も高齢化対策が進んだ都市と言えます。

実際、そのような評価を受けることは多いですから。

勿論、都市としては若者に集まってもらうことが一番です。

でも、個々人は自分の価値観を最優先に行動を起こします。

「その街に住む」ということは、個々人の決定に委ねられています。

だから、「選ばれるための理由」が必要になるんですね。

シニアの目線に立ったとき、北九州市が高い評価を得て、選ばれる都市になれるか?

そこが、この政策の出発点だったのです。

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