2019年3月末をもって北九州市役所を退職したワタクシ。気が付けば、26年間も勤めていたんです。こんな人間がよく長期間にわたって公務員の世界で生きていけてたもんだと、我ながら感心したのが、もう半年ちょっと前。

在職中、おそらく他の人では経験できないような仕事をたくさんさせて頂きました(当時は「なんでオレばっかり・・・」なんて愚痴も言うこともありましたが;汗)。

入職して4年しか経ってない段階で2年間の経済産業省への派遣(この時は核テナントの予定だったヤオハンが倒産して大変な目に遭いました)、第3セクターの空きフロア(7,000㎡)対策としてのイベント開催から㈱ボーネルンドと協働して実現させた日本初のインドアプレイグラウンド「あそびのせかい」、自動車部品産業のネットワーク組織「パーツネット北九州」の立ち上げ等々、産業経済分野の仕事は大変でしたが、やりがいはめちゃくちゃありましたね。そう言えば、「世界のふわふわ大集合!ちびっこワールド」なんて事業も(笑)

その後は何故か、財政局財政課で予算査定を3年間。通称「デスク」と呼ばれ、文字通り「大きな机の上でたくさん寄せられる予算要求をひたすら捌く」のが仕事。とにかく外に出て仕事がしたくて堪らなかった3年間。当時は「懲役3年くらった」なんて冗談を言ってましたね。

そして、上海事務所の所長として約4年間。当時は上海万博の前後で中国が成長一途の頃だったので、本当に色んな仕事に携わることが出来ました。上海市政府をはじめとする地方都市との連携、環境分野でのアピール、インバウンド促進など。大して喋れるワケでもないのに、中国語でスピーチするなんて機会もありましたね、みんな中国人だから怖いものナシです(笑)

ちなみに、駐在当時に開設した「中国サイコウ」というブログに300を超える記事が残っていますので、ご興味あれば是非(地元では「上海通信」という形で配信した記事も含まれています)。

で、また帰国すると何故か市長秘書担当課長に。当時、「おいおい、中国関係の仕事を担当していて、戻ってすぐ市長の秘書ってどういうこと??」って思ったのを鮮明に覚えています。コレ、真っ当な感覚だと思うんですけど。。。ということで、ここで再び「懲役2年くらった」なんて冗談を言ってましたね。

そして、最後の4年間は「地方創生」を担当。今だから言いますが、この仕事はずっとやりたかったんです。東京の大学に進学した私がショックだったこと、それは北九州市が全く知られていない、もしくは最悪なくらいにイメージが悪いということ。これは外に出て生活した人間しか分からないですね。屈辱的ではありましたが、「北九州市出身」とは言わず「福岡出身」と言ったことは何度となくあります。

だから、北九州市の本当の良さをどうやって知ってもらうか、とにかく考え抜いて動き回って語り続けた4年間でした。前半の2年間は東京と北九州の二重生活なんてのも経験しましたし、後半に2年間では2泊3日の東京出張で15件のアポをこなすなんてこともありました。ホント、好きじゃないと出来ないですね。

そして、もうそろそろ別の部署に異動という空気が強まったとき、自分なりに考えたんです。これって北九州市だけの問題なのか・・・、と。

地方には東京にはないたくさんの魅力があるのに、ほとんど都市圏の人たちには伝わっていない。というか、都会で暮らしていると「地方のこと」なんて考える機会も必要性もないと言っていい。たしかに東京にはヒト、モノ、カネ、情報の全てが揃っている。いや溢れかえっている。地方とは正反対なのだ。

でも、冷静に考えると何処か「変」だ。何が「変」かって・・・

こんなに東京に一極集中している国は、先進国では日本くらいではないか!(奇しくも関係が悪化している韓国もソウル一極集中だが)。

米国も中国もあれだけ広大な国土なのに、それぞれの地域が特色ある産業を有し、大企業も分散して本社を構えている。「何が何でも首都に本社を構える」なんて姿勢はあまり感じられない。そして、それで経済は廻っているのだ。何故、こんなに狭い国土の日本でそれが出来ないのだろうか。。。

急激なIT技術の進展によって、AIの時代、5Gの時代が到来しつつある現代では、在宅ワークや副業、多拠点生活などが広がりを見せてくるだろう。数年後、今のように大勢の社員が机を並べて仕事をする職場の風景は減っているのかも知れない。「仕事をする場所で生活する時代」から「生活したい場所で仕事をする時代」に変わってくるのではないだろうか。

そう考えると、いま地方がやるべきこと、それは「地方の魅力を最大限に伝えていくこと」ではないだろうか。今こそ「知ってもらう⇒買ってもらう・来てもらう(関係人口を増やす)⇒住んでもらう」という流れを目指すべきだ。そのためには、まずは「知ってもらうこと」。幸い、ネット社会になったことで、情報拡散力は飛躍的に高くなっている。間違いなく、いまがチャンスだ!

ただ、ここで大きな問題なのは情報を拡散するキーマンも東京に集中しているということ。この人たちに地方の良さを知ってもらえないと、そこからの発信による一般の人たちへの伝播は期待できない。だから、現状ではいつまで経っても地方の魅力は伝わらないのだ。

てなことで、色々と考えた挙句、スパッと市役所をヤメちゃった私。ホントによかったのかどうかは「結果」が証明してくれるでしょう(笑)。

で、本当に有難いことに、いま愛媛県西条市と熊本市で「魅力発信」の仕事に携わらせて頂いている。市役所で最もやりがいのあった業務に別の都市で関わることができるなんて、本当に幸せですね。だから、精いっぱい取り組んでいる。情報発信を頑張ることによって、そこに住む方々が誇りを感じてもらえるように。

2019年8月、一般社団法人自治体マーケティングパートナーズ協会という団体を立ち上げた。目指すところは「メディア、企業、自治体がコラボして、地方の魅力を最大限発信していく」ということ。難しいことだけど、明るく、楽しく、前向きに取り組んでいくしかないのだ。賛同してくれる仲間を待ってます!

これから思いつくまま、色々なことに取り組んでいきます。勿論、ここでも情報発信していきますので。再始動に乞うご期待~!!

2019年10月 岩田 健