明日(1/4)「2020年版 第8回住みたい田舎ベストランキング」発表を前に

毎年1月4日、田舎暮らしの本(宝島社)が発表するのが、「住みたい田舎ベストランキング」。田舎暮らしの本は「移住」をテーマとした老舗の雑誌となります。もう30年くらいになるんじゃないですかね?以前、取材を受けた際に聞いた話だと、創刊当初はホントに仙人みたいな人ばっかり取材していたそうです。そのくらい移住は珍しいものだったようですね。

明日の発表を前に、2019年版 第7回のランキングをおさらいしたいと思います。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000794.000005069.html

この2019年版から部門が二つに分かれ、人口10万人以上の「大きなまち」と10万人未満の「小さなまち」のいうカテゴリーでランキングされるようになりました。北九州市は当然ながら「大きなまち」なので、ここでは「大きなまち」に関して言及していきます。

2019年のランキングで、総合部門、若者世代部門、自然の恵み部門の3つの部門で第1位となったのが鳥取市。そして、子育て世代部門で第1位となったのが栃木市、シニア世代部門で第1位となったのが北九州市でした。

一般人の感覚として「この3つの都市が本当に住みたい街なのか?」はさておき、このランキングは自治体にとっては結構重要なんです。なぜって、このランキング以外に「移住」をテーマにしたランキングがないから。先述したとおり、「移住」をテーマとした雑誌は数が少なく、今でこそTURNSソトコトがあるものの、全自治体を対象としたランキングをやるほどの出版社は見当たらないのが現状。

このランキング、どのようにして決まっているかと言うと、基本的にはアンケートと移住者実績の2つの要素のみ。アンケートのほうは多岐に渡っており、「YES」だと1点、「NO」だと0点となり、その合計点が基礎点となります。移住者実績のほうは、自治体による移住促進の取組みによって実際に移住した人数をもとに点数化しています。この2つの合計で順位が決まることになるため、都市としてのポテンシャルと取組み度がマッチしていないと上位に食い込むことはなかなか難しい。もっとも、大きな都市だと移住者数を把握することが難しいという面は否定できないが、そこで怯むようでは、そもそもランキングに挑む資格すら与えられないというところかと。。。

北九州市の場合、第4回まではエントリーさえしていなかった。それもそのはず、人口問題を所管する明確な部署が存在していなかったので、送付されたどこかの部署が勝手に判断して「無回答」としていたのだろう。

そんな北九州市がエントリーするようになったのは、実はもう一つの同誌のランキングがきっかけだった。それが「50歳から住みたい地方ランキング」で、2016年当時、日本版CCRCについて推進意向のある100強の自治体をランキングしたものだった。ここで、北九州市はわずか1点差で第1位を獲得したのだ。もともとシニアの移住策と捉えられていた日本版CCRCはあまりウケが良くなかったが、このランキングによって状況は劇的に変化。一気に逆風から追い風に変わったのだ。

ここでの体験が、その後の政策実行に大きな影響を与えたのは間違いない。ランキングというのは不思議なもので、(自分たちの知らないところで)市民の間で急速に広まっていくのだ。そして、ここで気づいたのは「人は外部からの評価によって、初めて誇りというものが生まれるんだ」ということ。まさにシビックプライドってヤツですね。まあ、北九州市の場合、「修羅の国」だとか「アブナイ街」だとか、かなり大げさに取り上げられてますから、第1位という響きには内外共にビックリしたようです。おかげでPR効果は抜群でしたが(笑)

で、二匹目のどじょうを狙ったワケではないですが、2017年版 第5回住みたい田舎ベストランキングから参戦したものの、初めてのランキングはシニア部門第2位が最高位で、ほかはイマイチな順位となる。ここでハッキリ分かったのは「2位じゃダメ」ということ。この時は殆どTVの取材などは入らなかったので。。。

そこでアンケート項目を再分析し、1年かけて施策の充実を図ることに。その結果、2018年版 第6回住みたい田舎ベストランキングでは、総合部門、シニア部門で2冠を達成。続く2019年版 第7回でもシニア部門で第1位を獲得する等、このランキングでの上位をキープしてきたのです。

「たかがランキング、されどランキング」といったところですね。いまはネット社会なので、ネット上でメディアによって「移住したくなる街」という形で紹介されていると、他都市よりも大きなアドバンテージを得ることは想像に難くない。自分の街のことを素晴らしいと宣伝しても、人は素直に信じてくれることはないのだ。

だからこそ、こういったランキングの重要度が増すワケだが、そればかり考えていても上位を獲得することは難しい。やはり愚直に「移住者の気持ちに向き合うこと」が重要なのだ。

いよいよ明日に迫ったランキング発表。今回はどの街が第1位を獲得するのか、またそれによってどのような変化が生まれるのか、興味深く見守っていきたいですね。

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