北九州市のふるさと納税が絶好調!
記事をアップしようと思いつつ、日々の忙しさにかまけて、気が付けば年末。。。
これではマジでダメですね、もっとアップしていきます(汗)
色々と書きたいことはありますが、今回は年末ということで、ふるさと納税ネタで。
懐かしい話になりますが、地方創生部門に「ふるさと納税を担当してくれないか?」との打診があったのが、ちょうど2年前。当時は税部門が所管していましたが、寄付額が低迷していて、2017年度の実績は3,700万円弱。ちょっと引き取るには荷が重いほどの実績でしたが、当時はまだ現在のように3割規制などが厳しくなかった頃だったので、やってみるか!ということになり、年明けから抜本的な見直しに取り組みました。
https://www.furusato-tax.jp/city/product/40100
その時の取組み、実はとってもシンプル。まさに「マーケティング発想」でしたね。
第一に、返礼品の仕入れ(敢えて、この言葉を使います)方法の見直し。業務を引き取った当時、返礼品は全て外郭団体を通していたので、これでは色々な段階でマージンが発生して、返礼率が落ちてしまいます。さらに言うと、自分たちでコントロールすることができませんね。
ということで、直接仕入れ方式に変更。つまり、返礼品事業者との交渉から全て自治体の職員でやるということ。こういう変更をしようとすると、すぐ「大変になるから変えないほうが・・・」という意見が出がちですね、特に自治体では。でも、本来シゴトって、大変なものなんですよね。特に、ふるさと納税のように全国の他自治体と競い合って結果を出さないといけない類の仕事では、こうした努力なしでは結果を出すのは不可能です。北九州市の場合は、担当職員のモチベーションが高く、ITスキルも抜群だったことも成功の大きな要因でしたね。
第二に、「返礼率:3割」という原則の中で、どうやって選んでもらえるか、を徹底的に突き詰めるということ。ふるさと納税の返礼品の中で圧倒的な人気を誇るのは、肉、米、果物、ビールといった商品。残念ながら、北九州市にはこういった産品はほとんど見当たらない。だったら、過去の実績も含め、徹底的に研究して分野ごとに強そうな産品を選ぶしかない。最終的にキラーコンテンツとなったのは、シャボン玉石けん、明太子、もつ鍋、資さんうどん等。どれもご当地の産品で煮強い人気を誇るものばかりなので、返礼率が高ければ選んでもらえる確率は高いです。
ここで、もうひとつ努力したのが、「実質的な返礼率を上げる」ということ。返礼品事業者を訪ね、ふるさと納税の仕組み、特徴、利点等を説明した上で、「どうやったら選んでもらえる可能性が高いか」を力説。今でこそ当たり前のように比較サイトが立ち上がってますが、ふるさと納税をする方々は「何がお得か?」、つまり「何が実質的に返礼率が高いか?」を重要な判断基準としている場合が多いですよね。だから、本当にシンプルに「小売価格ではなく卸売に近い価格で出してもらえるとメリットが大きい」ということを訴えることに徹してました。
ふるさと納税の制度を冷静に顧みると分かるのですが、サイトの立ち上げ、出品の調整、ふるさとチョイス等のサイト運営者とのやり取り、決済、配送に至るまで、全て自治体がやっているワケなので、これって返礼品事業者にとっては、ほぼ卸ですよね。だから、こうした説明を通じて、返礼品事業者の皆さんにもご理解いただき、とてもいい商品群が出来たんだと思います。慣れてくると、返礼品事業者のほうで競合他市の商品をベンチマークしてくれていましたので(笑)
第三に、ここもシンプルにPRを強化するということ。引き取った当時はふるさとチョイスのみだったので、楽天、さとふるを追加し、3サイト体制を構築。あわせて、WEBメディアでの記事掲載やターゲティング広告、物産系イベントへの出展など、とにかく試行錯誤しながら色んなことにチャレンジしましたね。
その結果、2018年度は、前年度比5倍超の2億円弱に大きくジャンプアップ!
とても嬉しかったですね。頑張ったら、ここまで結果が出るもんなんだな、と。
で、1か月ほど前に、西日本新聞で「北九州市のふるさと納税好調、過去最高昨年の1.8倍」との記事が!
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/563284/
すでに市役所を離れていますが、こういった記事が出ると素直に嬉しいです(笑)実際のところは、12月補正の4億円よりもっと寄付額は伸びてきているようです。
今年のふるさと納税は、新しい規制が導入されたこともあって、とても難しい対応を迫られた街も多かったかと思います。でも、きちんと街の資源を分析し、地元企業と一体となって戦略的に取り組めば、必ず成果が出ると確信しています。
来年度はさらに色々な環境変化がありそうですが、私自身も北九州市での経験を他の街でも生かしてもらえれば、と考えております。ご興味ありましたら、お気軽にお問合せください。
次回、より詳しく「ふるさと納税」を考察していきます。