高齢化と地方創生
ここまで2回にわたって「日本全体の人口」について言及しました。
で、今回は「高齢化と地方創生」。
このタイトルに違和感を感じる方、結構いるかも知れませんね。
というのも、「地方創生」って「地元をドンドン盛り上げよう!」的な事業だと勝手に解釈されている感、ありますよね。
なんで高齢化が地方創生と関係あるのか・・・と。
では、なぜ地方創生の文脈から「高齢化」が出てくるのでしょうか?
先述したとおり、日本は高齢化が進んでいるから、というのも勿論ありますが、さらに細かく言うと「今後、首都圏で急速に高齢化が進む」からなんです!
相変わらず東京圏への人口流入は続いており、高齢化は地方の問題と捉えられがちですが、実はそんなことはありません。
昨年も7万人強の人口流入があった東京ですが、高齢化の波はそんなものでは補えるものではありません、残念ながら。。。
「大都市圏の高齢化問題の顕在化」を示したものが、下図となります。
(出所)日本創成会議・人口減少問題検討分科会「ストップ少子化・地方元気戦略」より
この資料は、大都市圏の後期高齢者(75歳以上人口)の見通しを示したもの。
三大都市圏の全ての都府県で、30~50%台の増加となっていますね。
これ、2015年→2025年というわずか10年の増加数ですから、今後のペースも推して知るべしという状況です。
ここで、個人的に注目したいのは、東京近郊の埼玉県・千葉県といった地域のほうが増加率が高いことですね。
首都圏在住の方にとっては、「いざとなれば、東京を脱出して首都圏近郊で介護施設を探せばいいや」と考えているかも知れませんが、事はそう簡単ではないのです。
そこで、日本全体を俯瞰して、医療介護の状況を見てみましょう。
将来の医療介護ご覧のとおり、首都圏をはじめとする大都市圏に比べ、地方では比較的余裕がある地域が見受けられますね、北九州もそのひとつです。
もうお分かりでしょうか?
地方創生の基本目標のひとつである「地方への新しい人の流れをつくる」という言葉には「高齢者の」という意味も含まれているんです。
以前、増田レポート第2弾が示されたときにも、姥捨て山批判が展開されました。
いまでも「移住」をテーマにしたとき、地方の側からは「若い人は歓迎だが、シニアは来たければどうぞ」といった姿勢が見受けられる。自治体によっては、「シニアの方々に対する移住支援は行っていない」と公言するところもあるとか。ちょっと行きすぎた対応ですね。
個人的な見解ですが、日本人はちょっと尺度が小さすぎるように思います。
例えば、東京から北九州は距離にして1千キロ、航空機を使えば1時間半強です。
米国や中国の人たちからみれば、どうってことない距離なんです。
こんな短い距離で姥捨て山批判を展開しているようでは、グローバル化論議どころではないような・・・。
もっとも、この狭い国土に47もの都道府県があり、さらに1,700強の市町村があるということにも起因しているのかも知れませんね。
次回、日本の世代別人口割合にて、さらに深堀りしていきたい。
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