ふるさと納税が大変なことに・・・①

このところ、ふるさと納税が物議を醸している。
2017年度の寄付総額は3653億円にも及び、まだまだ拡大一途の様相。
少なくとも昨年度までは。。。

この寄付の内容、都市間で相当な差があることも指摘されているとおり。
まあ、簡単に言えば、大都市ほどマイナス幅が大きく、小規模な市町村でも返礼品を手厚くしている都市ほどプラス幅が大きいということ。
もっとも、「ふるさと納税はよく分からないから、やったことないよ」って方も少なからず居ますよね。

ふるさと納税の趣旨、これも簡単に言えば、納税者本人が自分の生まれ育った出身地や支援したい自治体にも自分の意志で納税できるようにしようというもの。
この趣旨自体に異を唱える人は少ないでしょうね。
「大人になるまで生まれ故郷にお世話になった」という思いが強い方にとって、こうした制度は意義深いもの。

ただ、制度設計という面では、突っ込みどころが満載でして・・・(申し訳ないですが)。
そのあたりの事情を探っていければ、と。

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まず、ふるさと納税のこれまでの推移をチェックしていきたい。
制度が始まった2008年~2016年の状況が以下のとおり。

寄付年  受入件数    寄付金額(千円)
2008   53,671件   ¥8,139,573
2009   56,332件   ¥7,697,723
2010   79,926件   ¥10,217,708
2011   100,861件   ¥12,162,570
2012   122,347件    ¥10,410,020
2013   427,069件   ¥14,562,583
2014  1,912,922件    ¥38,852,167
2015  7,260,093件   ¥165,291,021
2016 12,710,780件  ¥284,408,875
(出典:総務省資料)

ご覧いただいて分かるとおり、制度発足から数年は意外なほど低空飛行だったんです。
で、2015年に寄付金額の桁がひとつ上がり、その後はうなぎ上り!
何故こんなに増えたと思いますか?

実は、その理由のひとつとして考えられるのが、2015年4月からスタートした「ふるさと納税ワンストップ特例制度」。
要するに、5団体以内に対する寄付であれば、申告書を提出することを条件に、確定申告しなくても寄付金控除(税額控除)を受けられるようになったワケです。
これが投資系の雑誌等で取り上げられるや否や、瞬く間に「お得な制度」として拡大していくことに。

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ここに目を付けたのが、何とかして税収を増やしたい自治体の面々。
それまでは地場産品の振興も兼ねて、返礼品としては農産物(米や肉など)が主だったのだが、なりふり構わず高額家電製品や金券類(旅行券など)を返礼品として用意するところが出てきて、もう収拾がつかない状態に。。。
まあ、特産品がない市町村が寄付を多く集めるには仕方ない面があるのは分からないでもないですが、、、iPad、掃除機、ゴルフクラブのセット等々、ちょっとやり過ぎですよね。

しかも、地元産品でも何でもない商品まで返礼品としてバンバン出されると、もはや何のための制度なの・・・?と疑問に感じざるを得ないといった指摘は根強い。
加えて、返礼率を原則3割以内としている総務省の方針を守っていない自治体も多く。。。
現に、寄付額が最多となった大阪府泉佐野市は、全部で約135億円を集めているが、その返礼品の中身については・・・、サイトを見れば一目瞭然という状態だ。
まあ、納税者が主体的にコチラを選んだのだと開き直ってしまえば、それまでなんですが。。。

報道によると、2018年9月11日(執筆日の翌々日)に総務省が今後の対応方針を発表するとのことなので、さてどうなるやらって感じですね。

次回、どうしてこんなコトになっちゃってるのかについて、言及していきたい。
結局、そもそも論になっちゃいますけどね。。。

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